半年で使った金額を全部出す
Claude Codeで urisol.com と urinosuke.com の2サイトを構築してから約半年が経った。「非エンジニアでもAIでサイトを作れる」という話は巷に溢れているが、実際にいくらかかって、どのくらい回収できたのか——その生々しい数字を公開する記事は意外と少ない。
私は NDT検査を本業とする個人事業主+法人代表で、コードは Claude Code で初めて触った。「収益化できた」と言える実績はまだないが、構築プロセスと費用の実態は書ける。この記事では、サイト構築に実際にかかった費用と、ROI(投資対効果)の見通しをできる限り正直に計算する。
Claude Code関連の費用
| 項目 | 金額(半年) | 備考 |
|---|---|---|
| Claude Pro | $20/月 × 6ヶ月 = $120 | 日本円で約18,000円(為替レート1ドル=150円で計算) |
| Cloudflare(ホスティング) | $0 | 無料プラン(Pagesの範囲内) |
| ドメイン(urisol.com) | 年間約1,500円 | 既存保有、追加コストなし |
| ドメイン(urinosuke.com) | 年間約1,200円 | 新規取得 |
| 書籍代(技術書5冊) | 約15,000円 | 『Claude Code完全入門』『実践Claude Code入門』など |
合計:約34,700円(半年)
これに時間コストを加えると話は変わるが、金銭的支出だけなら月5,800円程度。Claude Pro の課金が最大のランニングコストで、Cloudflare の無料プランに収まっている限りホスティング費用は発生しない。
ROIは現時点でマイナス——でも回収ラインは見えている
半年間のサイト運営で得られた直接収益は、もしもアフィリエイト経由の成果報酬が数百円程度。当然ながら ROI は大幅なマイナスだ。
ただし、「サイト構築」を単独の収益事業として見るのではなく、事業基盤の整備コストとして捉えれば話は変わる。urisol.com は法人(株式会社US)の技術記事サイト、urinosuke.com は個人ペンネームでの発信拠点として、それぞれ「信頼の可視化装置」の役割を果たしている。
『実践Claude Code入門』(技術評論社)では、Claude Code を単体ツールではなく「チーム開発の文脈に組み込む」前提で評価している。私の場合は「チーム」ではなく「個人事業+法人の二刀流」だが、発想は同じだ。サイトは営業ツールであり、取引先に「ちゃんとやっている人」という印象を与える名刺代わりになる。
時間コストを計算すると?
金銭コストだけでなく、時間コストも考慮すべきだろう。サイト構築に費やした時間を「稼働日数」で計算すると、こうなる。
- 初期構築(Astro環境構築・デザイン・投稿フロー整備): 約10日分の作業時間
- 記事執筆+自動投稿スクリプト調整: 継続中(週3〜5時間程度)
- 書籍読解・プロンプト改良: 週2〜3時間程度
NDT検査の日当を仮に3万円/日として計算すると、初期構築だけで機会損失30万円に相当する。これを回収するには、サイト経由での案件受注か、もしもアフィリエイトの成果報酬を積み上げるしかない。
ただし、私の場合は「NDT検査の繁忙期(春・秋)と閑散期の波」があり、サイト構築は主に閑散期の時間を使っている。機会損失ゼロではないが、「その時間に他の仕事があったか」と問われれば微妙なラインだ。
回収の見通しは「3年スパン」で考える
短期的なROIは明らかにマイナスだが、中期的には以下の3ルートで回収を狙っている。
① 案件受注の入口としての機能
urisol.com は NDT技術記事を中心に投稿しており、Google 検索経由で「この人に依頼できるか」を判断する材料になる。実際、取引先から「サイト見ました」と言われたことが数回ある。案件単価は日給3万円が基準なので、年間10日分の案件増加があれば30万円——初期構築コストを回収できる。
② もしもアフィリエイトの積み上げ
urinosuke.com では読了書籍を中心にレビュー記事を投稿し、Amazon + 楽天の併記リンクを張っている。現時点の成果は微々たるものだが、記事数が増えれば検索流入も増える。月5,000円のアフィリエイト収益が安定すれば、年間6万円——Claude Pro の年間課金($240 ≒ 36,000円)をカバーできる。
③ 「発信する技術者」としての市場価値向上
これは数値化しにくいが、最も効いてくる要素だと考えている。『ストーリーとしての競争戦略』(東洋経済新報社・楠木建)では、「賢者の盲点」を突く戦略が競争優位を生むと論じられている。NDT検査業界で「自分のサイトを持って技術記事を書いている人」はほぼいない。この盲点を突くことで、「同じスペックの検査員なら urinosuke に頼もう」という判断が生まれる可能性がある。
Claude Code で作る意味はあったのか
「WordPress でよかったのでは?」という疑問は当然ある。実際、テーマを買って記事を投稿するだけなら WordPress のほうが早い。
ただし、Claude Code で構築したことで得られたものは大きい。
- Markdown + Git で記事を管理する習慣: バージョン管理の概念を体で覚えた
- Astro の静的サイト生成の仕組み: ビルド時にページを生成する設計思想を理解できた
- Cloudflare Pages の無料枠運用: ホスティングコストをゼロに抑える構成を知れた
- 自動投稿スクリプトの実装: Python + Claude Code でタスク自動化の感覚をつかんだ
これらは「単にサイトを公開する」以上の学びで、次に何か作るときの資産になる。『Claude Code完全入門』(技術評論社)はCLIベースの開発リズムを学ぶ入門書だが、実際に手を動かさないと身につかない部分が多い。私の場合、自サイト構築が「手を動かす場」として機能した。
まとめ:短期ROIは負だが、中期で回収できる設計にする
Claude Code でサイトを作って半年、金銭的には約3.5万円のコスト、ROIは現時点でマイナス。ただし、これを「短期投資」ではなく「3年スパンの基盤整備」として捉えれば、回収ラインは見えている。
非エンジニアがAIツールでサイトを作ることの意義は、「安く早く作れる」ではなく、「自分で作ったものを自分で改良し続けられる」点にある。WordPress で完結するなら WordPress でいい。でも、「次に何か作りたくなったとき」にゼロから学び直すのではなく、今の資産を使い回せる——それが Claude Code で構築した最大のリターンだと、半年経って実感している。