38歳個人事業主が『DIE WITH ZERO』を読んで設計した50歳以降の『使う計画』3段階:配当所得・体験投資・ゼロで死ぬ逆算

FI設計に欠けていた「使う」視点

2026年現在38歳。NISA・iDeCoを運用し、50歳時点で年間配当200万円を目標に資産形成を進めている。だが『DIE WITH ZERO——人生が豊かになりすぎる究極のルール』(ビル・パーキンス著)を読んで、自分の設計に決定的に欠けていた視点に気づいた。「どう貯めるか」は詰めたが、「どう使うか」を設計していなかった

本書の核心は「ゼロで死ぬ」。人生最後の瞬間に資産をゼロにする——つまり「貯めるだけ貯めて使わずに死ぬ」ことを最大の無駄と定義し、体験に最適なタイミングで資産を投入する逆算設計を説く。この思想は、50歳以降の働き方とFI設計を「貯める」から「使う」へ反転させる契機になった。

以下、本書を踏まえて実装した「使う計画」3段階を記録する。

第1段階:50歳時点で配当所得を確保する(インカムゲイン重視へのシフト)

本書は「45〜60歳が体力・気力・時間のバランスが最も取れる黄金期」と指摘する。この期間に旅行・趣味・家族との体験を集中投下すべきだが、そのためには労働時間を減らしながら生活費を賄える仕組みが必要になる。

私の場合、50歳時点で「年間配当所得で生活費の一部をカバーし、呼ばれた現場のみ受ける働き方」を目標にしている。この働き方を実現するには、ポートフォリオをキャピタルゲイン(値上がり益)重視からインカムゲイン(配当)重視へシフトする必要がある。

具体的には、50歳以降は高配当ETF・インフラファンド・REITなど「定期的なキャッシュフローを生む資産」の比率を引き上げる設計。インデックス投資は継続するが、取り崩しタイミングを市場に左右されるリスクを減らし、配当という形で毎年確実に入ってくる現金を厚くする。

この設計により、現場に出る頻度を年1〜2回まで絞っても生活が回る状態を作る。労働時間を減らした分、体験に使える時間が増える。

第2段階:体験に最適なタイミングで資産を投入する(健康資産の劣化曲線を読む)

本書が繰り返し警告するのは「健康資産は劣化する」という事実。70歳で海外旅行に行くより50歳で行く方が体力的に楽しめる。80歳で登山するより60歳で登る方が膝への負担が少ない。同じ体験でも、タイミングを誤れば価値が半減する

この視点を踏まえ、私は50〜65歳を「体験投資の集中期」と位置づけた。具体的には以下を計画している:

  • 家族旅行の頻度を上げる:子供が中学生〜高校生の間(親と旅行に行ってくれる最後の期間)に年2回ペースで国内外の旅行を実施
  • 趣味への投資:キャンプ道具・カメラ・自転車など、体を動かす趣味に積極的に支出。60歳を超えると体力的に厳しくなる前提で、50代のうちに体験を積む
  • 学び直し:大学の公開講座・資格取得・語学学習など、知的体験にも時間と金を投下。これも「学習能力が高いうちに」という逆算

これらの体験は、70歳以降に繰り延べると「体力的にできない」「家族構成が変わってできない」リスクがある。だから今=50〜65歳に前倒しで投入する

本書の「記憶の配当」という概念も重要。旅行・趣味・学びは、その後の人生で繰り返し思い出され、追体験される。50歳で行った旅行は、60歳・70歳でも「あのとき行ってよかった」と想起され、配当を生み続ける。金融資産の配当と同じく、体験も複利で効く

第3段階:ゼロで死ぬ逆算(相続前提を捨てる)

本書の最も過激な主張は「子供に遺産を残すな」。親が80歳で死んだとき、子供はすでに50代。そのタイミングで遺産をもらっても、体験に使える期間は限られている。それより、親が生きているうちに子供が26〜35歳の「体験に最適な期間」に教育・旅行・起業資金として投入する方が、家族全体の幸福度は高い。

この考え方を踏まえ、私は以下の方針を立てた:

  • 相続前提で資産を残さない:65歳以降は資産を計画的に取り崩す。70歳・80歳で貯金が積み上がっている状態は「使い損ねた証拠」と見なす
  • 子供への支援は生前に実施:大学学費・留学・起業資金など、子供が20〜30代のタイミングで必要な支援を実施。相続税対策としての生前贈与ではなく、体験価値の最大化として行う
  • 最後の10年は極小生活:75歳以降は生活費を最小化し、資産をほぼ使い切る設計。施設入居費・医療費は保険と年金で賄い、金融資産は「ゼロで死ぬ」を目指す

この設計により、50歳FI以降の人生が「貯め続ける継続」ではなく「計画的に使い切る逆算」に変わる。

「貯める設計」と「使う設計」を両輪で回す

『DIE WITH ZERO』を読む前、私のFI設計は「50歳で配当所得を確保し、働き方を変える」までで止まっていた。その先の「どう使うか」「いつ使うか」「誰のために使うか」が空白だった。

本書はその空白を埋める逆算思考を与えてくれた。FIは手段であり、目的は体験の最大化。配当所得は「使う自由」を保証するが、使わなければ意味がない。

50歳以降の設計を「貯める」から「使う」へ反転させる——この視点転換が、38歳の今、FI計画を再構築する契機になった。


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参考

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