潜水士副業は「やってみたが続かなかった」が正しい総括
私は潜水士資格を取得し、水族館のイルカプール清掃という副業を実際に経験した。BtoB構造で対等な関係が築けたこの仕事は、肌感としては悪くなかった。しかし「案件数が少ないため未継続」というのが現実だ。
一方、Panasonic業務委託の家電修理は半年程度で終了した。こちらは「対面×故障対応×立場が不当に低い×感情労働」が重なり、明確に忌避ラインを超えた。初期投資は車両含め約200万円。撤退コストを下げるため古物商許可は取らず、修理のみモデルで完結させた設計が功を奏した。
2つの副業実績から見えてきたのは、「BtoC/BtoB」という軸ではなく、対等構造か不当扱い構造かが副業選定の本質だということだ。
副業を見極める3つの判断基準
実体験を整理すると、次の3軸で副業の継続可否が決まると考えている。
1. 対等構造が成立しているか
潜水士の仕事は、清掃業務という明確な成果物があり、発注側との関係が対等だった。「潜れる人」という希少性が前提にあり、値段交渉の余地もあった。
家電修理は逆だった。故障した家電を前に「直せ」と言われる構造は、どうしても立場が低くなる。業務委託とはいえ、感情労働の要素が強く、疲弊した。
2. 案件数・稼働頻度が自分の生活設計に合うか
潜水士は「チャンスがあれば再開したい」と今も思っている。ただし水族館の清掃は定期メンテナンスの頻度が限られており、NDT検査の繁忙期(春3〜5月・秋9〜11月)と重なると受けられない。
NDTの現場仕事は出張ありで工数が読めない。副業の稼働頻度が月1〜2回程度なら両立できるが、週単位で入ると本業に支障が出る。自分の生活リズムに副業を「ねじ込む」のではなく、「はまる案件だけ受ける」設計が必要だった。
3. 撤退コストを最初から織り込んでいるか
家電修理は初期投資200万円のうち、車両が大半を占めた。出張修理には必須だったが、副業を畳んだ後も車両は別用途で使える。工具・計測器も汎用性があり、完全な埋没コストにはならなかった。
古物商許可を取らなかったのも撤退設計の一環だ。中古買取→転売モデルに踏み込むと、在庫リスクと許可更新の固定費が発生する。「修理のみ」に絞ったことで、やめるときの負担が軽かった。
潜水士も同様で、資格取得費用は数万円程度。器材は一部レンタルで済ませ、初期投資を抑えた。「やってみてダメなら引く」前提で始めたからこそ、未継続でも後悔がない。
「対等構造のBtoC」なら受ける、が今の基準
副業選定で「BtoCは避ける」と一律に決めているわけではない。発信やSNSは対等構造が成立するBtoCであり、実際に続けている。
逆にBtoBでも、理不尽な構造があれば忌避する。NDT検査の現場でも、単価が工数¥30,000/日を下回る案件や、不当な扱いを受ける可能性がある案件は断っている。
潜水士の経験で得たのは「対等構造が成立すれば、案件数が少なくても心地よい」という実感だ。家電修理で学んだのは「初期投資が大きくても、撤退コストを織り込めば失敗は許容できる」という設計思想だった。
まとめ
副業を2つ経験して見えてきたのは、次の3つの判断軸だ。
- 対等構造が成立しているか
- 案件数・稼働頻度が生活設計に合うか
- 撤退コストを最初から織り込んでいるか
この基準で選べば、BtoC/BtoBの区別は本質ではない。「対等構造のBtoC」なら受けるし、「理不尽なBtoB」なら断る。
潜水士は案件数の問題で未継続だが、条件が合えば再開したい。家電修理は構造的に合わなかったが、撤退設計のおかげで傷は浅かった。どちらも「やってみて学んだ」実績として、今の副業選定基準に活きている。
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