単価を1,000円上げても売上は1〜2%しか増えない——NDT検査の現場単価交渉より「空白期間を埋める」方が桁違いに効いた実話

単価交渉に力を入れていたが、計算したら効く順番が逆だった

私はNDT検査の個人事業主として、ここ数年は現場の日単価交渉に意識を向けてきた。

「同じ時間働くなら、単価が高い方がいい」という当然の理屈で、取引先との契約更新時には「前年より1,000円上げてもらえませんか」と交渉を重ねてきた。

実際に単価は少しずつ上がっている。しかし、ある日ふと「1,000円上げると、年間でどれくらい売上が増えるのか?」を計算してみたところ、思っていたより効果が薄いことに気づいた。

一方で、空いている閑散期に1か月現場を入れる・補助を1人付けて受注枠を増やす方が、桁が1つ大きかった。

本記事では、単価交渉の効果を実際に計算した結果と、「量が先、単価は後」の順序に気づいた実話を書く。

日単価1,000円アップの年間売上への影響を計算した結果

まず前提として、私の稼働状況は次のとおり。

  • 年間稼働日数: 約150〜200日(繁忙期と閑散期の波が大きい)
  • 現在の日単価: 3万円台(レンジ表記。取引先・案件内容で変動)

日単価を1,000円上げた場合、年間売上への影響は次のようになる。

  • 年間稼働150日の場合: 1,000円 × 150日 = 15万円増(現行売上450万円として約3.3%増)
  • 年間稼働200日の場合: 1,000円 × 200日 = 20万円増(現行売上600万円として約3.3%増)

単価を1,000円上げても、年間売上は15〜20万円、率にして約1.4〜3.3%増にすぎない(稼働日数と基準売上で変動するが、おおむね1〜2%台)。

私は「単価交渉は重要だ」と信じて力を入れてきたが、計算してみると思っていたより効果が小さかった。

一方、閑散期に1か月現場を入れる方が桁違いに効いた

次に、「空いている閑散期に1か月(20日間)現場を入れる」場合の売上増を計算してみる。

  • 日単価3万円 × 20日 = 60万円増

単純に比較すると、1,000円の単価アップ(年間15〜20万円増)よりも、1か月現場を埋める方が3〜4倍効く。

さらに、「補助を1人付けて受注枠を増やす」選択肢もある。補助の人件費を差し引いても、自分1人では受けられない案件を取れるようになれば、売上増のインパクトは単価交渉の比ではない。

私はこの計算結果を見て、「先に量(空白期間を埋める・人を付ける)、単価はそのついで」の順序に気づいた。

単価交渉は実績が積み上がったタイミングで行う

もちろん、単価交渉が無意味というわけではない。

単価は一度上げると下がりにくく、長期的には積み上がっていく。また、単価が高い取引先を増やすことで、案件選択の自由度が上がる(単価の低い案件を断りやすくなる)。

ただし、単価交渉は実績が積み上がったタイミングで行うべきだと考えるようになった。

具体的には次のようなタイミング。

  • 同じ取引先で3年以上継続して実績を出している
  • 過去に大きなトラブルなく、信頼関係が築けている
  • 繁忙期に優先的に声がかかる関係になっている

このような状況であれば、「前年より1,000円上げてもらえませんか」という交渉も通りやすい。

一方、実績が薄い状態で単価交渉に力を入れても、取引先は「他の業者に切り替えよう」と判断するリスクがある。

私自身、初期の頃は単価にこだわりすぎて、案件を失いかけたことがある。それ以来、単価は「実績が積み上がった後のついで」と位置づけている。

空白期間を埋める営業・人を付ける設計が先決

今回の計算で気づいたのは、「量が先、単価は後」の順序だ。

NDT検査は繁忙期(春3〜5月・秋9〜11月)と閑散期の波が大きい。閑散期に空白が多いと、繁忙期にいくら稼いでも年間売上は伸びない。

私の現在の課題は次の2つ。

  1. 閑散期の営業を強化する——閑散期にも声がかかる取引先を増やす。または、繁忙期以外の案件(定期点検・小規模補修など)を開拓する
  2. 補助を1人付けて受注枠を増やす——自分1人では受けられない案件を取れるようにする。ただし、人を雇う固定費とのバランスは慎重に設計する必要がある

これらの「量を増やす設計」を優先し、単価交渉は実績が積み上がったタイミングで行う。

この順序を守れば、年間売上は桁が1つ大きくなる可能性がある。

まとめ: 単価交渉は悪くないが、量が先・単価は後

日単価を1,000円上げても、年間売上への影響は1〜2%程度にすぎない。

一方、閑散期に1か月現場を入れる・補助を1人付けて受注枠を増やす方が、桁違いに効く。

私は「単価交渉が重要だ」と信じて力を入れてきたが、計算してみると「量が先、単価は後」の順序だった。

単価交渉は実績が積み上がったタイミングで行い、それまでは空白期間を埋める営業・人を付ける設計を優先する。

この順序を守れば、年間売上は確実に伸びる。

単価で悩むフリーランス・一人親方の方は、一度「単価アップの年間影響」を計算してみることをおすすめする。思っていたより効果が薄いことに気づくかもしれない。

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