家計簿アプリを13年使い続けた理由
私は2013年からマネーフォワード MEを使い続けている。サービス初期からのユーザーで、13年間ほぼ毎日開いてきた。現在は個人・個人事業・法人の3財布を運営しているが、その資金繰り設計の原点はこの家計簿アプリにある。
最初は「支出を記録する」だけのツールだったが、使い続けるうちに「夫婦で金銭感覚をすり合わせる」「事業の現金の流れを整理する」という役割に変わっていった。今回は13年使い倒して分かった家計管理の基本を3ステップで書く。
ステップ1:クレカと銀行を連携する
家計管理の基本は「支出と収入を見える化する」ことだが、そのためには銀行口座とクレジットカードの連携が必須だ。私の運用では、ほぼ全ての口座とカードをマネーフォワード MEに連携している。未連携はPayPayくらいで、現金もなるべく使わない。
理由は単純で、連携に乗らない支出を作らないためだ。現金で払うと記録が残らず、後から「何に使ったか分からない」状態になる。クレカ払いに寄せることで、支出は自動的に家計簿に反映される。この仕組みを作ることが、家計管理の入口だった。
使い始めた当初は「インターネットバンキングの情報を渡すのは不安」という気持ちもあった。最近のGitHub関連のインシデントも認識している。それでも「あまりあるメリット」があり、これがないと管理できないというのが13年使った結論だ。
ステップ2:夫婦で家計を共有する
私がマネーフォワード MEを使い続けている最大の理由は「夫婦で家計を共有する」運用にある。同じアカウントを2人で見ることで、お互いの金銭感覚をすり合わせている。
具体的には、支出と収入を夫婦でお互いに見える化している。金融資産も負債も共有し、「今の資産がどれくらいあるか」を夫婦で把握できている状態だ。家計管理は私が担当しているが、情報を隠さず開示することで、お互いの金銭感覚のズレを早期に検知できる。
例えば「今月は交際費が多いね」「来月は車検があるから積み立てよう」といった会話が自然に生まれる。これは家計簿アプリがなければ成立しない対話だ。夫婦で金銭感覚を揃える装置として、マネーフォワード MEは13年間機能し続けている。
妻の口座名義や金額の詳細はここでは書かないが、「共有している」という運用自体は私の家計管理の基本になっている。
ステップ3:支出状況を把握してから節約を考える
家計管理を始める人によく言われるのが「まず節約しなきゃ」という発想だが、これは順序が逆だ。先に支出状況を把握しないと、何を削るべきか分からない。
私が13年使って分かったのは、連携して初めて「自分が意外に浪費している」事実に気づくということだ。例えば「月に外食費が◯万円かかっている」「サブスクが積み重なって◯千円になっている」といった実態は、記録しないと見えない。
マネーフォワード MEを使い始めたときも、最初の1ヶ月は「こんなに使ってたのか」という驚きだった。節約はその後の話で、まずは把握が先だ。把握してから「ここは削れる」「ここは譲れない」という判断ができる。
これから始める人には「まずはマネーフォワードで支出状況を把握。クレカと銀行の連携はMUST。使ってみると意外に浪費してます」と伝えたい。順序は「把握が先・節約は後」が鉄則だ。
家計管理の延長が事業会計に繋がった
13年使い続けた結果、家計管理の習慣は事業会計にも繋がった。個人事業を始めたとき、会計ソフトとして「マネーフォワード クラウド確定申告」を選んだのは、家計簿と同じ流儀で使えるからだ。
当時は「マネーフォワード税理士」という制度(正式名称は記憶が曖昧だが、税理士とMFクラウドを連携する仕組み)があったので、会計処理もそのままMF連携している税理士に依頼した。家計管理の延長だったので抵抗なく使えたのが大きい。
現在は個人・個人事業・法人の3財布を運営しているが、個人と事業はクレカで分けている。支出の区分は入口のカードで確定させる運用だ。個人は三井住友カード(NL)、個人事業はセゾンプラチナビジネスを使い、財布の混同をカード選びの時点で防いでいる。
マネーフォワード クラウド会計(法人用)では、残高試算表のBSとPLをよく見ている。そこからキャッシュフローを考えるのが習慣だ。目的は個人・個人事業・法人の現金の流れを整理するためで、試算表→CFの順で読む運用が定着している。
金融リテラシーの向上装置として機能している
13年使い倒した結論として、マネーフォワード MEは私の金融リテラシーを段階的に育ててくれた装置だと思っている。家計把握→事業会計→BS/PL読解→3財布の資金繰り設計という流れは、すべて家計簿アプリの延長線上にある。
不満点もある。暗号資産周りの連携が手薄で、bitFlyerを使っている身としては物足りない。過去には誤検知でアカウントが止まる事件もあった。それでも「これがないと管理できない」と言い切れるのは、13年の実績があるからだ。
家計管理の基本は「連携する・共有する・把握してから動く」の3ステップに尽きる。これから始める人には、まず1ヶ月使ってみて、自分の支出実態を眺めることを勧める。節約はその後の話だ。
参考
- マネーフォワード ME 公式サイト: https://moneyforward.com/
- マネーフォワード クラウド 公式サイト: https://biz.moneyforward.com/
- 金融庁「家計管理・生活設計診断ツール」: https://www.fsa.go.jp/
関連書籍
【改訂版】本当の自由を手に入れる お金の大学
家計管理の「貯める・稼ぐ・増やす・守る・使う」の5つの力を体系的に学べる一冊。マネーフォワード MEで支出を把握した後、次に何をすべきか迷ったらこの本から始めるとよい。FI論を書くときの共通語彙としても使える。
新版 ひとり社長の経理の基本
個人事業・法人の会計を「集める→記録する→チェックする」の3ステップで整理した実務書。マネーフォワード クラウドを使った記帳・決算・役員報酬の運用を自分で俯瞰したいときに役立つ。家計管理の延長として事業会計を捉える視点が参考になった。
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