法人と個人事業を併営して2年、マネーフォワードで「3財布の現金の流れ」を整理する実運用を言語化する

3財布を管理する動機:煩雑さを引き受けてでも可視化したかった

株式会社US(法人)とUSサービス(個人事業)を併営して2年が経った。個人の生活費口座・個人事業の売上口座・法人の運転資金口座という「3財布」を持つことになり、現金の移動を追いかける作業は確かに煩雑だ。だが私は「個人、個人事業、法人の口座管理は煩雑だが、計画や設計が好きな自分としてはメリットと感じる」と口述している。この記事では、3財布を「どの製品で・どの画面で・何を見て整理しているか」の実運用を記録する。

マネーフォワードのエコシステムは、家計簿版の「ME」と事業用の「クラウド会計/確定申告」の組み合わせで3財布をカバーできる構造になっている。私は2013年からMEを使い続けている13年ユーザーで、法人設立時も「家計管理の延長だったので抵抗なく使えた」という動機でMFクラウドに移行した。この記事では、3財布の現金移動を整理する実運用の型を、私が実際に見ている画面と読んでいる数字をベースに書く。

個人・個人事業・法人の口座設計:カードで入口を分ける

3財布の混同を防ぐため、私は支出の区分を「個人と事業はクレカで分けている」運用で確定させている。具体的には次の通り:

  • 個人支出: 三井住友カード(ゴールドNL)→ 住信SBIネット銀行の個人口座から引き落とし
  • 個人事業支出: セゾンプラチナビジネス・アメリカン・エキスプレス → 西兵庫信用金庫の事業口座から引き落とし
  • 法人支出: 法人カード(実名非公開)→ 法人口座から引き落とし

カードを選ぶ時点で財布が決まるため、「これは個人か事業か」の判断を事後的に仕訳する手間が減る。この設計は、MFの自動連携と相性がよい。クレカの明細がそのまま正しいエンティティ(個人/個人事業/法人)の帳簿に流れ込むからだ。

MEで見る個人、クラウドで見る事業・法人

私がふだん使っているマネーフォワード製品は3つある:

  1. マネーフォワードME(家計簿版): 個人の生活費・資産・負債を管理
  2. マネーフォワード クラウド確定申告(個人事業版): USサービスの売上・経費・青色申告
  3. マネーフォワード クラウド会計(法人版): 株式会社USの試算表・決算書

MEでは「家族共有の家計」を夫婦で見える化している。クレカ・銀行・証券口座をほぼ全て連携し(未連携はPayPayくらい)、「今の資産がどれくらいあるか」を常に把握する設計だ。個人事業と法人の口座もMEに連携しているが、そちらの詳細は「クラウド」側で見る。

クラウド側で私が最も頻繁に見る画面は「残高試算表のBSとPL」だ。そこから「個人・個人事業・法人の現金の流れを整理する」ためにキャッシュフローを考える、という順序が実運用の型になっている。

BS/PLから読むキャッシュフロー:3財布の資金繰り設計

試算表のBS(貸借対照表)とPL(損益計算書)を見ると、次のことが分かる:

  • BS: 現金・預金・売掛金・買掛金・借入金の残高 → 今の手元資金
  • PL: 売上・経費・営業利益 → 今月の儲け

この2つから逆算して「来月の現金移動」を設計する。具体的には:

  1. 法人の役員報酬(月5万円)を法人口座 → 個人口座へ移動
  2. 個人事業の売上を事業口座に入金確認
  3. 借入返済を事業口座から実行
  4. 社会保険料をGMOあおぞらネット銀行から引き落とし
  5. 余剰資金を投資口座(楽天証券・SBI証券)へ移動

この資金移動の順序と金額を、BS/PLの数字から毎月決めている。MFクラウドの試算表は「現時点の数字」を常に最新化してくれるため、月次決算を待たずに資金繰りを判断できる点が実務上の価値だ。

3財布運用の不満点:暗号資産連携とPayPay未対応

MFを13年使って「金融リテラシーが向上していると思う」と評価している一方、不満点もある。最大のものは「暗号資産周りの連携が手薄」だ。私はbitFlyerで暗号資産を運用しているが、MEとの連携が不安定で、手動CSV取込に頼る場面が多い。PayPayも未連携のため、現金扱いで記録している。

もう1つの不満は、過去にあった「GitHub関連のインシデント」を含むセキュリティ不安だ。私は「当初はインターネットバンキングの情報を渡すなど、不安なこともあった」と口述しており、最近のインシデントも認識している。それでも「あまりあるメリットがあり、これがないと管理できません」という判断で使い続けている。読者の最大の躊躇(ログイン情報を渡す不安)に対しては、リスクを認識した上での利用継続判断である、と正直に伝えたい。

まとめ:3財布の可視化は「設計が好きな人」の武器になる

3財布を併営する煩雑さを引き受けてでも、私は「計画や設計が好きな自分としてはメリット」と感じている。マネーフォワードのエコシステムは、ME(個人)・クラウド確定申告(個人事業)・クラウド会計(法人)の3製品で現金の流れを一元管理できる構造を持っており、13年の利用経験が「家計把握 → 事業会計 → BS/PL読解 → 3財布の資金繰り設計」へ段階的に育ったと振り返る。

3財布運用を検討している個人事業主や法人代表にとって、この記事の実運用記録が「どの製品で・どの画面で・何を見るか」の具体的な参考になれば幸いだ。MFは万能ではないが、設計と計画を楽しめる人にとっては、3財布の可視化を支える強力な基盤になる。

参考

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