法人成りで「増えた固定費」は後悔ではなく設計の材料
私は2023年に株式会社USを設立し、個人事業USサービスと併営して2年が経ちました。法人を作った理由は3つ——①法人がないと社会保険に加入できなかった、②有期社員や業務委託発注時に、法人を窓口にするほうが信用があった、③タイミングはとにかく早くという意識だった——です。
法人化を後悔しているわけではありません。ただ、設立前に「これだけの固定費が毎月かかる」という実額の感覚を持っておきたかった、というのが正直なところです。この記事では、法人成りで実際に増えた固定費を3つ挙げ、個人事業時代との比較で振り返ります。
1. 社会保険料:月5万円の役員報酬でも年間10万円台後半
法人成りで最初に直面したのが社会保険料です。私の役員報酬は月5万円(健康保険・厚生年金の最低等級を維持する設計)ですが、会社負担と個人負担を合わせると年間で10万円台後半の規模になります。
個人事業主時代は国民健康保険と国民年金で済んでおり、合計でも年間数十万円規模でした。法人成りによって社会保険に切り替わると、会社側も折半で負担するため、キャッシュフローへの影響は想像以上に大きくなります。
「役員報酬を最低にすればコストを抑えられる」と考えていましたが、最低等級でもゼロではないという当たり前の事実を、設立後に実感として知りました。
2. 税理士報酬:個人+法人で年間数十万円規模
2つ目は税理士報酬です。私は個人事業と法人の両方を顧問税理士に依頼しており、合計で年間数十万円規模の報酬を支払っています。
個人事業のみだった頃は、マネーフォワードクラウド確定申告で自分で記帳し、税理士への依頼は最小限で済んでいました。しかし法人成りによって決算業務・法人税申告・役員報酬の設計など、自力では手に負えない領域が増え、顧問契約が必須になりました。
「法人の税務は複雑だから税理士に頼むべき」というのは理屈では分かっていましたが、実際に支払う金額を年間で積み上げると、固定費としてのインパクトが大きいことを実感しています。
3. 法人住民税の均等割:赤字でも年間7万円
3つ目は法人住民税の均等割です。これは法人の所得に関係なく、赤字でも年間7万円が課税される税金です。
個人事業主時代は、所得がゼロなら住民税もゼロでした。しかし法人には「存在しているだけでかかる税金」があり、売上が立たなくても毎年7万円が出ていくという構造を、設立後に知りました。
「法人には固定費がかかる」と聞いてはいましたが、具体的にどの項目がいくらかを設立前に知っておけば、資金繰りの設計がもう少し正確にできたと思います。
固定費を「先に知る」ことで設計できること
法人成りを後悔しているわけではありません。社会保険への加入・法人としての信用・事業拡張の選択肢——これらは個人事業だけでは得られなかったものです。
ただ、固定費の実額を設立前に知っていれば、資金繰りの設計がより正確にできた、というのが2年間の実感です。特に次の3点は、設立前に具体的な数字として把握しておくべきだったと思います。
- 社会保険料は最低等級でもゼロではない(会社負担+個人負担で年間10万円台後半)
- 税理士報酬は個人+法人で年間数十万円規模(顧問契約は法人運営の前提になる)
- 法人住民税の均等割は赤字でも年間7万円(売上ゼロでも出ていく税金がある)
これから法人成りを検討している方は、設立後の固定費を年間で積み上げて試算することをおすすめします。私は「とにかく早く」を優先しましたが、固定費の実額を知ってから設立タイミングを判断するほうが、資金繰りの設計は確実に楽になります。
まとめ
法人成りで増えた固定費を振り返りました。社会保険料・税理士報酬・法人住民税の均等割——この3つは、設立前に「年間でいくらかかるか」を具体的に試算しておくべきだったと思います。
法人化を後悔しているわけではありませんが、固定費の実額を「先に知る」ことで、設立タイミングや資金繰りの設計がより正確にできる、というのが2年間の実感です。これから法人成りを考えている方の参考になれば幸いです。
参考
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